会長挨拶
謹啓
この度、第2回クリニカルバイオバンク研究会シンポジウムを、平成28年7月23日(土)・24日(日)の2日間の日程で、北海道大学医学部学友会館 フラテにて開催させていただくことになりました。
ゲノム医学の飛躍的な発展により、研究的なニーズに加えて臨床現場で最先端の解析機器を用いた遺伝子解析を行い、診断・治療に必要なデータを抽出するクリニカルシークエンスの確立が急務の課題となっています。そのためには、「診療情報と直結した生体試料の確保」と、「生体試料の合目的な高い品質管理」が必要であり、「迅速かつ少数検体の解析を行い、診療へフィードバックする」ことが求められます。クリニカルバイオバンク研究会は、Translational Research Laboratoryとしての機能を持ち、診療現場のリクエストに応えることが出来る「診療施設併設型バイオバンク」という新たなバイオバンクのコンセプトを打ちだし、平成27年4月より活動を開始しました。
当研究会では、バイオバンク部会、クリニカルシークエンス部会及びネットワーキング部会を設置し、部会ごとにSOPの策定や臨床実装に向けての支援を行っています。また、バイオバンク及びクリニカルシークエンスに関するシステムや技術についての最新の情報交換の場を提供することを目的として、昨年10月に第一回シンポジウムを開催致しました。200名を超える参加者が集い、協賛・展示企業も40社を超え、この分野への注目の高さと参加者の熱意を感じることが出来ました。
今年の第二回シンポジウムでは、「バイオバンクの社会実装とクリニカルシークエンスの臨床実装」をテーマとして、問題点の整理と解決策を見出すことを目指します。シンポジウムを実り多いものとし、この分野を発展させるためにも、生体試料のバンキング及び臨床研究、そしてクリニカルシークエンスの実装に関わる多くの研究者並びに企業関係者の御出席を賜ることができましたら幸甚に存じます。
敬具