ご挨拶
本クリニカルバイオバンク研究会は、平成27年3月に設立されました。クリニカルバイオバンクとは診療施設併設型バイオバンクのことを指しています。
本研究会は、臨床検体を用いた研究をより系統的に整理して、臨床的に還元できる疾患の病態解析、コホート研究、疾患バイオマーカー探索の推進、「臨床検体を社会に役立てるかたちで還元すること」を目標にしています。そのために大学・研究所(アカデミア)と企業をつなぐ場として本研究会が発足しました。具体的なテーマは「クリニカルシークエンス」と「クリニカルバイオバンク」の2つです。両分野ともに倫理、個人情報保護の遵守、人材育成、データベースの統合、産学官の協力などが求められる分野です。
本研究会で取り上げるテーマはいずれも今後のゲノム医療の推進に不可欠です。本研究会の第一回は岡山大学(豊岡伸一先生)で「国内外のバイオバンクの動向と方向性、課題」「臨床研究におけるバイオバンクの果たすべき役割」など、第二回は北海道大学(西原広史先生)で「バイオバンクの社会実装とクリニカルシークエンスの臨床実装」について活発な議論が行われました。
今回(第三回)はオープニングセッションとして「バイオバンクに何をもとめるか?」、5つのシンポジウムでは「倫理・法律(改正個人情報保護法)とゲノム解析」「保存臨床検体の精度保証」「クリニカルシークエンスの実装」「バイオバンクネットワーク」「バイオバンクの人材育成」などに関するテーマを企画しました。それぞれの分野で本邦を代表する方々にお集まりいただく予定です。企業展示や今回初の試みである国内の有数のバイオバンクのポスターセッションではface-to-faceで忌憚のないディスカッションを行っていただけますと幸いです。
7月の七夕の暑い時期ですがこの分野にご興味を持つ多くの皆様のご参加をお待ちしています。